この夏は連日の猛暑酷暑でテツする意欲も湧かずに引きこもりが続く日々。
そんな8月の終わりに2泊3日で山形・新潟の観光ツアーに参加した。1泊目は山形の湯野浜温泉と聞き、それならば(少しでも「テツ」気分を)と、自由時間があったなら善宝寺を訪ねてみようと密かに企てていた。
幸いにも宿には16時ころの到着となったので決行することに。夕食までの時間を利用してタクシーを呼んでもらって、いざ出発。

善宝寺門前の広場にポツンと置かれた単行の電車。
かつて庄内交通善宝寺駅があり、鉄道廃止後はその駅舎を利用した善宝寺鉄道記念館が置かれていたが、その記念館も閉館し2022年7月には取り壊されてしまったことを、事前のネット情報で知る。

記念館は1978年に開館したものの1993年に閉館し放置状態に。改札口からちらりと見える朽ちた電車の顔、そんな哀れな姿がネット上にずっと散見されていた。
今、駅舎が無くなり、柵越しではあるもののこうして電車に近寄ることが出来るようになったのは良いのかそうでないのか。

ホームは本屋側の向こうに島ホームが1面あったようだ。何かの動輪が唐突的に鎮座している。

木立の向こうで見えにくいのが残念だが、待合室が見える。広めのスペースには電車待ちの多くの善宝寺参拝客を迎え入れていたことだろう。

少し離れた場所に架線柱が残っていた。その造りは弱小ローカル私鉄にあるような、ヘロヘロな木製ポールとは違い、鉄骨組のしっかりした姿だった。
(2025/8/27)
事前に「善宝寺鉄道記念館」を調べるにあたり、全国の保存車両を網羅する「汽車・電車1971」さんを参考にさせていただいた。ページを開くと、訪問時の感想と今後を案じておられるコメントが載っており、僭越ながら状況報告せにゃとも考えていた。
そんな矢先の(2025/9/23)、同サイト管理人のTADA氏が急逝されたとの知らせを受けた。氏には長年に渡りご厚誼いただき、博識な彼からは色々なことをこれまで教えていただいていて来たのだった。
「8月末現在、善宝寺の旧駅舎は無くなっても車体は辛うじて残っていましたよ。」と報告したくても、それももう叶わない。ならばせめてもと、過日の葬儀にて彼の遺影に報告させていただいたところ。
TADAさん、これまでありがとうございました。安らかにお休みください。
ご冥福をお祈り申し上げます。
(2025/9/29 合掌)