「奥出雲おろち号」の車窓(と言ってもトロッコ車両なので、いわゆる「窓」はありませんが)から木次線を楽しみます。
イベント列車でありながら、意外にも各駅停車で備後落合を目指します。すると趣ある木造駅舎が次々と目に入りました。
雨どいが真新しく壁板や柱が塗装されているように見受けました。こまめな補修がされているのでしょうね。途中下車して観察したいところですが、1~2分の停車時間ではスナップするのが精一杯。それでも窓ガラス越しにならないスナップは、ストレス無く嬉しいところです。
あの有名な「蕎麦」の駅。こここそ数分停車してもらって、それを買い求めてみたいところです。
改札口には注連縄がありました。車内放送によると駅正面にも大きな注連縄があるとか、ここもちょこっとスナップに降りてみたい駅です。
木次線沿線は神話のふる里ということで、各駅には副駅名のような形で「神話駅名」が添えられているとか。「あよ(動)あよ(動)」と付された駅は下久野駅。
神話と言えばスサノオのミコトがヤマタノオロチを退治したのはこのあたりだったか、とすれば車窓に見えるあの川の流れは、退治されて倒れ込んだヤマタノオロチの首が八つの清流に姿を変えたあのアニメのシーンなのかと、こどもの頃に見た映画の記憶が沸き上がって来ました。
三段スイッチバックの区間に入り、あの半室運転台に移動してのスナップです。スノーシェッドからは僅かながら高低差が判る2本の線路が見渡せました。
「ATS」と「進行現示」の確認。
三段スイッチバックで難所を越えると、スキー場のある三井野原に到着。ディーゼル列車でもこれだけ喘いだのだから、かつてのシゴロクの喘ぎは相当なものだったろうし、三井野原に着いてのほっとした気持ちはさぞやと実感出来るものでした。
旅もあと僅かとなり、穏やかな盆地の風景の中の油木駅に到着。長年の風雪に耐えた駅名標が出迎えてくれました。
元々は紺色地のものを薄緑色の地に塗り替えたスタイルは沿線各駅でも目にしましたが、過日は因美線の那岐駅(鳥取県)でも目にしました。ということは旧米鉄管内の取り組みなのかなと、ひとり推理のひと時でした。
(2023/5/16)