線路端のブログⅡ

高架化されても、高いフェンスに遮られても、やっぱり線路端が好き・・・。

木造駅舎を訪ねて ー7ー

因美線 那岐駅

 津山から因美線に揺られ、今回訪問の那岐駅を目指す。

 美作加茂を過ぎ山間をグングン進んで行くと、前回訪問の美作河井だ。あの日は雪に覆われていた構内も解けて無くなっており、別の情景となっていた。列車は更に山深い中をR200のカーブや制限25Kと言った厳しい線形を、ゆっくりと進んで行った。

 峠を越えたのであろうか、少し開けた土地に列車が停まると那岐駅だった。すでに県境を越えており鳥取県に入っているらしい。

 既に開業90周年を迎えたとのこと、その記念碑が立てられていた。

 改札口からホームへは階段を上って行く。近年に手入れされたようで真新しいコンクリートだった。駅周辺の昔の写真などが掲げられており、目を楽しませてくれている。

 方面案内には、岡山・鳥取という大都市の名が。山深くひっそりと静まり返ったこの駅、この路線がかつては陰陽連絡のメインルートだったことを偲ばせている。勿論、今でも線路は繋がっているが、かつての急行のような直通する列車は既に無い。

 ところどころ塗料がはがれかかった木製の駅名票。思わずそっと手を触れてみた。ザラザラとした感触に時の流れを感じ取っていると、程なくして列車到着案内の無機質な自動放送が始まった。

(2023/3/12)