昨年夏、宮ノ越駅の訪問時にここ洗馬駅もと考えたが、普通列車の本数の少ない中央西線では掛け持ち出来なかった。
今や貴重な木造駅舎。玄関扉や窓は残念ながらサッシ化されているものの、無粋なアルミ地色枠でないのが嬉しい。
出札窓口や小荷物受付窓口は壁で塞がれていたが、僅かにカウンターだけが残されており、優雅な支柱が残っていた。
ホーム上屋を複雑に組まれた柱が支えている。良く見ると、寺社でみるような優美な木組みがされていた。
本屋に続いて優美な屋根が張り出している。駐輪場化しているが、そもそもは小荷物置場でもあったのだろうか。
「中央西線」や「洗馬」の字句を高校生の頃の鉄道趣味誌記事で目にしていた。当時、ここに立つことが出来ていたならば、今、軽快な電車が停まっているその場所には、D51に牽かれた客車列車が居たのだろうと思いを馳せる。
普通列車の松本行きが入線して来た。それは、自分の妄想を断ち切るかのような、JR東海の軽快な電車だった。
(2024/2/13)