横浜市電の1156号が美しく整備されて、しかも車内灯を灯すイベントがあるよと、TADAさんのところのブログや掲示板で紹介いただいたのが、つい先日のこと。 青梅線で115系を撮った日の夕方、一旦自宅で休息ののち横浜・磯子の久良岐公園まで出かけてきました。
現地に着いたのは18時すぎ、すでに日は落ち徐々に夕暮れが迫ります。既に点灯されていた室内灯のオレンジ色も少しづつ色合いを増してきました。
室内灯のほか前照灯に方向幕も点灯されています。一時は荒廃が進んでいたという1156号、見事に美しく整備され携わった方々のご苦労に感謝するばかりです。しかもこのような洒落たステージを見せていただけるなんて感動です。
西の空が僅かに明るさを残すのみになったころ、前照灯が石畳を浮かび上がらせてくれました。
現地で合流した品川530さんとは互いのモニターを見せ合って、「おおそんな撮り方もあるのか」と、競作に励んでしまいました。
心地よい充足感に浸りながら公園を辞する時、白熱灯の明りを見ながら子供の頃のある晩のことを思い出しました。
その日は家族で中華街に繰り出しての夕食。帰宅するにあたって石川町から京浜東北に乗ったのではつまらないから市電に乗ろうと、自分が言ったか父親が言ったかで、市電に乗り込みました。車内はニス塗りだった記憶があります。車体中央にも出入り口があったような。揺れる車内、モーター音の響き、チンチンと鳴るベル。あの晩の車内に立ちもどったような余韻に浸りながら、公園前バス停に歩を進めました。
(2012/08/05)