線路端のブログⅡ

高架化されても、高いフェンスに遮られても、やっぱり線路端が好き・・・。

井倉のD51838

 この日は新見に宿を取ることにしており、時間もあるので井倉洞近くに保存されているというD51838を訪ねることとした。

 

 井倉駅前を左に進み郵便局の先の踏切を越え、左側の駐車場の先に入った所にそれは鎮座していた。

 金網で囲まれていて傍に寄ることも出来ず、しかも背の高いそれは有刺鉄線も付いている。防犯上は非常に良いのだがカメラのレンズを向けるのに一苦労だった。しかも傘を差しながらだったから。

 デフに燦然と輝くあの鳳凰なのだが、分厚く見えるのは何故?。

 雨も上がりそうな気配の空が映り込むキャブ周り。タブレットキャッチャーと位置が少し寄ったナバープレート。新見機関区配置を示す「新」の区名札もしっかり入っている。

 整備の行き届いた動輪回り。主連棒に差し込まれた薄緑色は、あの晴れ舞台の時そのまま。当時高校一年生だった自分がこの地を訪れることなど夢のまた夢。唯一「蒸気機関車に敬礼」の横開き写真集を本屋で見て、この美しきサイドビューに惚れ惚れするのが精一杯だった。その写真で見た印象深い薄緑色が目の前にある。

 17時半過ぎの列車で新見に向かうべく駅に戻る。次に乗る下り列車の前にそれを退避する貨物が入線するはずだ。

 あれこれとスナップする手順を考えていると、「今度の17時43分発下り普通列車は大雨のため運休します。」と無機質なアナウンスが突然流れて来たのだった。「えっ、そんな!いきなり言われても・・・。」どうする?自分。

(2023/9/11)